2022年09月08日

インターネットをv6プラスにするにあたってのルーター・ネットワークの良かった点・後悔

インターネットをv6プラスにするにあたってのルーター・ネットワークの良かった点・後悔をまとめる


今回は、インターネットをv6プラスにするにあたって考えたことなどをまとめていきます。
サーバー運営・エンジニア目線になっているはずですが、如何せん適当なので、誰かしらの助けになればいいと思います。

どうしてこうなった

まず前提として、我が家は賃貸です。
大家が住んでるタイプの小さなアパートで、元々家にはインターネット接続サービスがついてました。

J:COM無料インターネットとかではなく、共用のルーターから各家庭にLANがのびている、所謂LAN配線のインターネット設備でした。

フレッツ光のサイトより引用

正直速度は遅い(通常80Mbps、混雑時間帯は10Mbps~全く通信できないこともあった)のですが、大家が工事に前向きではなくて、惰性で使ってました。

しかしある日、共用のルーターが雷で逝ってしまって、全く通信できなくなりました。
そのタイミングで工事の申し出をしたところOKをもらえて、工事することになりました。

契約したのはenひかりさんで、enひかりはよくある光コラボ回線です。

enひかりについてはまた書こうと思うんですが、HPが割と専門用語を避けずにちゃんと書いてあったこと、電話対応がよかったことが決め手となって契約しました。

PPPoEの混雑

わかっちゃいたんですが、PPPoE通信(v6プラスじゃない通信)は、混雑時間帯の認証局の混雑でめちゃくちゃ通信が遅くなります。

混雑してないときは400Mbpsくらい出てたんですが、混雑時間帯は50Mbpsくらいしか出ない、若しくは通信が全然できないなどの状態になってしまいました。

enひかりさんは契約時(工事時)にこれをちゃんと説明してくれるので、まぁ契約しなかった私が悪いですね。

というわけで、v6プラスに加入する検討に入ります。

なぜ私がv6プラスに加入しなかったか

前述の通り、v6プラスに加入しないことによる混雑は事前に説明されていました。
にも関わらず私がv6プラスに加入しなかったのは、ウェルノウンポートが開放できないから、です。

ウェルノウンポートってなんすか

ウェルノウンポートっていうのは、80番(http)、443番(https)などの、予め設定されているポートのことです。
通常、私たちはインターネットでブラウジングをする時に、TwitterやGoogleのサーバーの80, 443ポートにアクセスします。

ここではポートについて深く触れないのですが、ここで大切なのは、Webサイトは基本的に80, 443ポートで公開する必要がある、ということです。

それ以外のポートで公開した場合、https://example.jp:8080 のように、ポート番号を指定してアクセスする必要があります。
企業の内部サイトなどならこれでいいですが、普通はこんなアクセス方法、しませんよね。

というわけで、v6プラス環境下では、事実上ウェブサイトの運営ができません。

もちろん、一般家庭ではウェブサイト運営なんかやらないと思うので、そういう人は全く問題ないとは思います。

こんな人は大丈夫

ポート開放に問題があることはわかりました。
ではポート開放は一切できないのでしょうか?

実はそんなことはなくて、ポート開放できるポートが予め決められているだけで、ポート開放はできます。

NEC製のAtermの画面ではありますが、このように「利用可能ポート」として一覧を参照できます。
なので対応しているルーターであれば、v6プラス環境下でもポート開放ができます。

マインクラフトなどの、どのポートでもいいようなゲームであれば、サーバーを立てて遊ぶことはできます。

残された選択肢

ウェルノウンポートを開放したい人は、v6プラスを契約できないのでしょうか?
実はそんなことはないです。

2つの選択肢があります。

  • 固定IPのサービスを申し込む
  • v6プラスとPPPoEを併用する

この2つです。

固定IPのサービスを申し込む

まず、なぜウェルノウンポートが開放できないのかというと、v6プラス環境下では、IPv4アドレスは共用になるからです。

めっちゃ雑な図なので勘弁してほしいのですが、簡単に言うとv6プラスでは、みんながv6プラスのトンネルを利用してIPv4通信をします。

IPv4アドレスは、各個人ではなく、トンネルに対して割り振られるので、同じトンネルを利用する人は、同じIPv4アドレスを利用することになるんです。
同じIPv4アドレスでポートが被ってしまうといけないので、開放できるポートに制限があるとそういうわけです。

そこで固定IPです。
固定IPサービスに申し込むと、自分専用のIPv4アドレスを付与してもらうことができます。

他の誰ともIPv4アドレスを共用しないわけですから、自分の好きなポートを開放できる。そういうオプションサービスになっています。

PPPoEと併用する

実はv6プラスは、PPPoEと併用できます。

これは完全にプロバイダーによるところで、プロバイダーによってはPPPoEは使えなくて、最初からv6プラス(IPoE)通信です!というところもあります。
そういった場合は基本的に併用はさせてもらえないかもしれません。

ただenひかりさんは電話で問い合わせたところ併用可能でした。

併用すると、このようになります。

※ゲームがポート開放不要かはゲームによるので、そこは勘弁してください

v6プラス対応ルーターには、PPPoEパススルーというのがあって、配下のルーターでPPPoE通信をしてインターネットに接続できるようなシステムがあります。

そうすると、PPPoE通信をしているルーターに対しては、通常のようにIPv4アドレスが割り振られるので、そのルーターの下でサーバー運営ができます。

ただ逆に言うと、PPPoE通信しているルーターの下にあるサーバーたちは、v6プラスの恩恵が受けられないので、混雑時間帯は通信速度が低下することになります。

私が下した決断

私が最終的に下した決断は、「PPPoEとv6プラスの併用」でした。

なんで?

理由は以下の通りです

  • IPを固定化しちゃうと、外部に漏れたときにダルそう
    • ここらへんは知識がないので微妙かも、もしかしたらそんなことないのかな
  • v6プラス環境下でのIP固定化に対応してるルーターが少なそう
    • ざっと調べただけなのでそんなことないかも
  • そもそもIP固定の費用が結構かかる
    • PPPoEとの併用だと半分くらいの値段で済む

結果

v6プラスにしたら、クッッッッッッッッッソ速くなりました!!!!

(回線事業者がauなのはよくわからん、au光の設備使ってるのかな)

朝晩ほぼこの速度で安定しています、特に1Gbps契約で800Mbpsは衝撃的です。大体は1Gbps契約で300くらいだと思ってたので。

ちなみにv6プラスとPPPoEの併用についてはまだ検証してません。
一応v6プラスで接続できるようになってからもPPPoEでも接続できたので、どっちも使えるとは思います。

なぜ併用をまだ試してないのかは後述します。

v6プラスへの切り替えは当日できました。実家のぷららは1週間後くらいに切り替わった気がするのでenひかりの対応がマジで速くて助かります。

ルーターを変えました

v6プラスに変更するに従って、ルーターもv6プラス対応である必要があります。

今まで使っていたTP-LinkのArcher AX50はv6プラス非対応ルーターなので、対応ルーターであるTP-Link Archer AX4800に変更しました。
ケーズデンキで1万ちょいだった気がします。当日に用意したかったので電気屋で買いました。
(後述しますがこのルーターはおすすめしません)

さて、概ねv6プラスには満足ですが、ここで後悔パートに入ります。

後悔パート

ルーター

後悔パートはもうほぼルーターのことだけです。
TP-Link Archer AX4800ですが、おすすめしません!

v6プラスが日本の技術だからか知らないんですが、v6プラスにただ対応してるだけのルーターです。

v6プラス環境下のポート開放に対応してない

ポート開放のパートでお話した通り、v6プラス環境下でも指定ポートであればポート開放ができます。

しかし、TP-Linkはその機能に対応しておらず、利用可能ポートの表示どころかポート開放機能自体が無効化されます!!!

なのでマインクラフトなどのゲームであっても、TP-Linkのルーターではポート開放が利用できません。
この仕様はかなりクソです!!

v6プラスIP固定に対応してない

v6プラスのIP固定に対応していません。
いや、対応してるのかもしれないけど確認したところそういった項目はありませんでした。

PPPoEパススルーに対応してない

また、PPPoEパススルーにも対応してません!
これも対応してるのかもしれないですが、設定項目がありませんでした。
調べたところ対応しているという情報もなく、たぶん使えないと思ったほうがよさそうです。

そういった事情もあり、まだPPPoEとの併用は検証していないというわけです。

といったところがこのルーターを買って後悔した点です。
もっとちゃんと考えてから買えよというのは本当にごもっともだと思いますが、過去の経験上AtermよりもTP-Linkのほうが安定するので、TP-Linkにしました。

でもたぶんv6プラス環境下ではAtermのほうがいいです。

え?Buffaloもエレコムもあるだろって?知らない子ですね......

とりあえず今度Atermのフラッグシップモデルを買おうと思うので、また記事にします(気力があれば)
と言うかサーバー運営するならそろそろ業務用ルーターも視野に入ってくるのかな

契約時

v6プラスにしとけばよかった!!!!!!!!!!!!!!!

正直実家でv6プラスにしたときはそれほどの感動がなかったので「こんなもんか~」って思ってました。

でもたぶん実家もルーターが悪かったんだと思います。
実家の場合は確かAtermのエントリーモデルで処理性能も全然ないやつだったと思います。

v6プラスとPPPoEの併用、契約時にやっとけば事務手数料かからずに済んだので、今から契約する人はそういう契約にしたほうがいいです。
というかPPPoE使うにしてもそういう契約にしとけばよかったじゃん................

v6プラス体験記 おわり

とりあえず書きたいことは書いたので終わります(燃え尽き)
インターネット、契約するならv6プラス一択だと思います。

ただ、ゲームによってはポート開放できないと動作しないやつとかもあるらしいので、それは事前に調べるか、PPPoEと併用の契約にしてどっちも選べるようにするとよいです
併用設定もプロバイダーによっては有料になるかもしれないので、そこも確認が必要ですね。

サーバー自体はまだ外からアクセスできる類の通信はやってないので、ルーター変えてからまた検証できればと思います。

それでは

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